

第3回 第一印象がすべてを決める その入口大丈夫ですか?
患者さんの気持ちは院外からスタートしている
人の第一印象は、わずか0.1秒で決まる——心理学では、そう言われています。
人は相手の顔を見たわずか0.1秒で印象が固まり、その後はなかなか覆らないそうです。
これは施設の入口でも同じです。患者さんは医療施設の前に立った瞬間から、無意識のうちにこの施設の印象を刻み始めます。
入口に立ち、ドアを開け、風除室を抜け、受付が見えるまではほんの十数秒ほど。
その短い間に、患者さんは医療施設の印象を心に刻みます。緊張や不安を抱えて来院する患者さんの気持ちは、入口の印象ひとつでほぐれることもあれば、逆に深まることもあるのです。
今回は、その第一印象を良くするポイントについてお話しします。
入口で大切なポイント
まず、患者さんの気持ちになって、玄関の外から中に入ってみることをお勧めします。
普段スタッフ用入口から出入りしていると、患者さんの玄関の状態をチェックするのがおろそかになりがちです。1日に最低1回は患者さんの入口を、何となく見るのではなく、以下のポイントを意識してチェックしてみてください。

チェック結果からわかること
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さて、10項目のチェック結果はいかがでしたか? YESはいくつありましたか?
ここに挙げたのは、第一印象を良くし、おもてなしの入口をつくるためのどれも基本的なことです。
すべての項目をYESにするために、どうしたらよいでしょう。
今日からできる、おもてなしの入口のつくり方
では、具体的にどうすればよいのでしょうか。ここでは順番が大切です。
①まず清潔な掃除、②次に適度な明るさ・照度、③おもてなしのインテリア。この順に整えていきます。
すぐにできることから始めましょう。
しおれた植栽は活き活きとしたものに替える。壊れた傘が放置されていたら撤去して傘立てを美しくする。汚れてよれた足ふきマットを新しくする。
小さなことですが、それだけでも入口の印象はぐっと変わります。
さらに、おもてなしのインテリアのコツは、「アイキャッチ」を置くこと。アイキャッチとは絵画や季節のしつらえなど、目を引くものを効果的に飾ることです。さらに照明をあてると、ぐっと格が上がります。
私がいつも心がけているのは、そういったちょっとした患者さんの心に届くメッセージ性をインテリアに入れることです。入口にアイキャッチと灯りを効かせただけで、「病院らしくなくてほっとする」という声をいただきます。大切なのは、「ようこそ」というウェルカムの気持ちを込めることです。
第一印象が、全体の印象をつくる
入口で受けた印象は、その後の診察や待ち時間の体験にまで影響します。第一印象がよければ、多少の待ち時間もやわらかく受け止めてもらえる。入口は、それほど大きな力を持っているのです。そして最後に、どんなインテリアにも勝る仕上げがあります。スタッフの笑顔です。整えた入口に、笑顔というスパイスをひとつまみトッピングして、患者さんをお出迎えしましょう。
おもてなしの入口事例


(鈴木慶やすらぎクリニック)

(銀座ノアクリニック)

ナイチンゲールに憧れ「将来の夢は看護師さん」と小学校の卒業文集に書く。慶應義塾大学病院の看護師として勤務するなかで環境デザインの力を確信し、建築士に転身。二級建築士を取得後、35歳でイタリア・ミラノの建築大学に留学、世界的巨匠パオロ・ナーバ氏に師事。イタリア政府認定デザイナーを取得し帰国後、一級建築士取得。株式会社ドムスデザイン設立。「リゾートしながら人間ドック」をコンセプトにデザインした黒沢病院附属ヘルスパーククリニックをはじめ、100を超える病院・クリニック・高齢者施設の設計・改修を手がける。来院患者数3倍、自由診療売上増など、経営に直結する成果を生み出し続けている。
【著書】 『医療の場を整える環境デザイン』 日本看護協会出版会 他